汚染された土地で採れた野菜が売れない(まぁ当たり前っちゃ当たり前)という事で、農家を救えとばかりに、「検査してるから安心」や「売れないのは風評被害」と連呼する人を最近よく見かける。
まぁ気持ちはわからんでもない。
んー、でもちょっとお待ちなされ。
この手の検査をやった事(自分でやらなくてもだいたい知ってる人)ならわかってると思うけど、どう考えても「出回ってる物が安全」と確約できるような検査方法って現在確立してないよね?
今では何か画期的な方式(簡単に一瞬で検査できる)が確立したかと思い知り合いの研究者に聞いたら、やはり計測方法は昔とそう変わらん。そらそうだわなぁ。
そいつも今の「検査してるから安心」にはものすごい苦笑。
おそらく福島県内で一日に検査できる数は、県内の全ての研究機関に検査を協力してもらっても、1日に検査できる数は3000個もいかないだろう。この数字でも多すぎかと。
一方福島クラスの農業地帯になると県内に農家は何万戸もあり、全ての農家が毎日出荷するわけではないものの、だいたい日に数万〜数十万個の農作物が県から出荷されてると思う。
放射性物質による土地・農作物の汚染が「県内ならどこでもまったく同じ」というなら、一部を調べてその数値が基準を越えているかどうかを見れば、残りの野菜も基準を越えてるかどうかと判定できるかもしれない。
でもどう考えても汚染具合が県内で一律なわきゃあない。チェルノブイリの農作物の汚染具合を見ると市内でさえ一律でもなかった。
数年前だったかベラルーシにいってチェルノブイリ事故による土壌やそこで採れる植物の汚染具合を調査するビデオを見た事があるが、同じ森で取れた同品種のキノコでさえ、放射性セシウムの含有量が何倍も違うわけですよ。たった数m離れてる物同士で比較しても10倍近く汚染具合が異なるのもあったと。
・検査できるのは全出荷物の中の一部のみ。残りは未検査状態。
・出荷物はどれも個体ごとに放射性物質の含有量が大きく異なる。(チェルノブイリでも近場で採れた物同士比較すると実際かなりばらつきがあった)
この二つを考えれば、検査してないで出荷された中には基準値を大きく越えたものがあるかもしれない、というのは一瞬で理解できるはず。
「検査したから安全」というのはいかにあほらしい話なのか、もう小さい子どもでもわかるんでない?
もしかしたら、世の中には携帯できる線量計というものがあるから、ああいう風に野菜に当てれば簡単に計測できると思ってる人がいるかもしれん。
でも携帯型の線量計でセシウムやヨウ素がどれだけ含有されてるかなんてわかるはずもない。
研究室でサンプルをしこしことゲルマニウム半導体検知器などで地道に検査していくしかないんだよなぁ。
農家や漁師の売れなくなった(というかまともに検査できないから「売ってはいけない」)農水産物については、流通させずに政府が買い取りしてやるべきだと思う。
出荷させるとやっぱり検査をすり抜けて強烈に汚染された農水産物が流通してしまうので。
土地も汚染がひどいところは、残念ながらそこで作物を作ってしまうと濃縮されてひどく汚染された農作物ができてしまう恐れがあるので、汚染されてない北海道や日本の西の方の農協などが農地を提供して受け入れてやるべきだと思う。
どこまでを「農業・漁業禁止エリア」とするかは悩ましいところだが、土壌の汚染具合を高・中・小に分けて、高と中では禁止にした方が良さそう。
そこで植物を育成すると生物濃縮が起きるので、中エリアの汚染地帯でもひどく汚染された野菜が採れてしまう事がある。


